2014年12月26日

第9回スペースカフェ☆お茶の水
「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイング

日時:2014年12月3日(火)13時00分〜15時30分
会場:アーツ千代田3331 コミュニティスペース
講師:山田哲哉准教授(宇宙航空研究開発機構)
  
2010年6月、さまざまな困難を乗り越え小惑星探査機「はやぶさ」が地球へ帰還しました。多くの感動を与えてくれた「はやぶさ」の後継機、「はやぶさ2」が小惑星に旅立つ瞬間を見守るために、パブリックビューイングを開催しました。

11月30日の打ち上げ予定が、12月1日、12月3日と2度延期になりましたが、12月3日13時22分04秒にH-IIAロケット26号機で打ち上げられ、地球を1周したあと「はやぶさ2」を正常に分離して打ち上げは成功!
ライブ中継の前後に、「はやぶさ」と「はやぶさ2」のカプセルの開発を担当した山田哲哉先生に「はやぶさ2」のミッションの解説やプロジェクト秘話を紹介しました。
会場には、お茶の水幼稚園とお茶の水小学校の児童たちが折った千羽鶴が展示され、鶴には「気をつけてね」「ファイト」「がんばれ!」など、児童たちの応援メッセージが書かれていました。

「はやぶさ2」〜そのミッションとは〜
「はやぶさ2」は、地球から約3億キロ彼方の小惑星1999JU3を目指しています。その目的は、小惑星の砂を採取して地球に戻ることです。小惑星には太陽系が誕生した約46億年前の物質が残っていると考えられるので、採取した砂を調べることで、地球の誕生や生命の起源に迫ることができるのです。今回の小惑星1999JU3は、水や有機物を含む物質が含まれている可能性があるのでは?!と期待されています。

○今後の「はやぶさ2」の予定
 2015年  地球スイングバイ(地球の引力を利用して軌道を変えること)
 2018年  小惑星到着 砂を採取(約18カ月滞在)
 2019年  小惑星出発
 2020年末 地球に帰還
  
ロケットに搭載されたのは「はやぶさ2」だけではなかった
実は、今回の打ち上げには、「はやぶさ2」以外に3基の小型副衛星が相乗りしました。
○「PROCYON(プロキオン)」東京大学とJAXAが開発
○「しんえん2」九州工業大学が開発
○「ARTSAT2-DESPATCH」多摩美術大学が開発
ロケットに余剰能力がある場合に限り、小型衛星を搭載することができるとのことです。

13時22分04秒―いよいよ打ち上げ!
ロケットの打ち上げは、雨、雷、雲、風などの気象条件をクリアすることが必要です。今回2回にわたり延期になった原因は、1回目は雲、2回目は風の影響でした。

そして、いよいよカウントダウンの時がやってきました。3…2…1…発射!青空に向かってぐんぐん飛び立つロケット。1分48秒後に固体ロケットブースタ分離。地球を約1周した1時間47分後に「はやぶさ2」を分離。みなさん、「おーっ」と歓声の中で拍手、拍手です。無事に地球に戻ってきてほしいと願わずにはいられませんでした。「はやぶさ2」を分離した後、3基の小型副衛星も次々と分離されました。

「はやぶさ」と「はやぶさ2」〜夢のバトンタッチ〜
「はやぶさ」「はやぶさ2」は、アメリカやドイツ、フランス、オーストラリアなど、各国の協力があってこそ、そのミッションを遂行できます。カプセルは前回に引き続きオーストラリアで回収をする予定です。トラブル続きでボロボロになり、地球を旅立って7年後にようやく帰還した「はやぶさ」のカプセルを回収する際にはオーストラリア政府と協議をしましたが、国家の安全保障にも関わることなので協議はなかなか進まなかったそうです。それでも無事にカプセルを回収したときはオーストラリア空軍と心は一つになり、感動を分かち合ったとのこと。

「はやぶさ」は小惑星の表面の砂を採取したのに対して、「はやぶさ2」は砂を採取するために爆薬を積んだ衝突装置を小惑星に投下して人工的なクレーター(直径約2m)を作り、宇宙線などにさらされていない砂を採る予定です。深さ数十センチの以上のクレーターを作る必要があり、またそのクレーターに着地をするのは大変難しいとのこと。

さまざまなトラブルを乗り越えた「はやぶさ」を改良した「はやぶさ2」が、ミッションを遂行して小惑星の砂を採取してくることが大いに期待されています。

11月30日の打ち上げを見るために種子島に行ったけれど見ることができなかったという宇宙大好き親子の方から「山田先生のお話しを聞けてよかった。とても楽しかった。次回は、ぜひ種子島で打ち上げを見てみたい」とコメントをいただきました。

最後に、山田先生より「打ち上げは成功したけれどこれが始まりです。2020年末にしっかり還ってきてほしいです。」とお話がありました。2020年は東京オリンピックが開催されます。「はやぶさ2」の帰還でさらに盛り上がることに期待しましょう。

レポート:新谷明日子
posted by Sカフェ事務局 at 17:19| スペースカフェ開催レポート

第7回スペースカフェ☆お茶の水
皆既月食観望会

約3年ぶりの皆既月食。東京、お茶の水の空に浮かぶ月の色は?

日時:2014年10月8日(水)18時〜
会場:新お茶の水ビルディング「駅前広場」
講師:阪本成一教授(国立天文台)

18:00 ビルの上に真ん丸な満月が姿を現しました。
日没後、少しずつ空が藍色になってきた夕暮れ時の東京御茶ノ水の「駅前広場」にどこからともなく集まってきた人びと。そうです、みなさんの目的は皆既月食の観察です!通りすがりの方も立ち止まり、大型ディスプレイの前にはいつの間にか100人くらいの人だかりができました。

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月食とは、太陽―地球―月が一直線になったときに、地球の影に月が入り、月の全部または一部が欠ける現象のことです。日食は地球の一部の地域でしか見ることはできませんが、月食は月が見えるところなら、どこでも見ることができます。また、日食と月食だと日食のほうが珍しい天文現象です。月食の時に月周回衛星「かぐや」から地球を撮影した不思議な画像のご紹介をいただきました。月から地球を撮影すると、地球が太陽を覆います。地球の周りに太陽光が輝きダイヤモンドリングのように見える神秘的な画像でした。

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18:15 少しずつ欠けてきました
◆月食を観察するポイント◆

★月の欠け方
いつもの満ち欠けとは違い、大きなものに削られたように見えます。空を見上げてみると「なるほど!」さっきまで真ん丸満月でしたが、確かに月がかじられたように見えます。

★月の周囲の星
暗くなると普段は見えない月の周りの星が見えます。今回は天王星が見えるそうで楽しみです。

★月の色
皆既月食のとき、月は見えなくなるのではなく赤銅色になります。太陽光が地球の大気を通過する時に青い光は大気中で散乱してしまい、残りの赤い光が月に届き、照らすので赤っぽく見えるのです。大気の塵の状態により色は若干変わるそうで、火山の噴火も影響します。いったいどんな色に見えるのでしょうか?

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19:00 もうすぐ皆既月食観望会です。
観望会では2台の天体望遠鏡を設置しました。空にはもうすぐ皆既食になりそうな月が浮かんでいます。天体望遠鏡を覗いていた、宇宙が大好きだという小学3年生の女の子に感想を聞いてみると、「月の色は茶色っぽいかんじで、きれいです。」とても満足そうで楽しそうでした。

19:24 ついに皆既月食です。
望遠鏡を覗いてみると立体的な月に見えます。色は優しい茶色のような薄いオレンジでしょうか。そして月の近くには天王星が見えました。月食は肉眼でも十分楽しめますが、天体望遠鏡や双眼鏡で見ると月面の様子もくっきり見え、また肉眼では見えない星も見えて感動しました。皆既月食になったとたん、雲がでてきましたが雲の切れ間に観察をしました。

20:24 そろそろ皆既月食も終わりです。
皆既月食の終わりごろ、観望会が終了しました。月が満月に戻るようすをじっくり観察をしたかったのですが月に雲がかかっているので断念しました。次回の月食は2015年4月4日です。お楽しみに!

今回の月食は、皆既月食になったとたんに雲がかかってきましたが雲の切れ間に観察をすることができました。暑くも寒くもなく気持ちの良い季節で、また夕方からの観察だったので、たくさんの方と楽しく観察ができました。月にまつわる興味深いお話しをしていただいた阪本先生、そして観望会を盛り上げていただいた参加者の皆さま、本当にありがとうございました。

月をじっくり眺める機会はあまりありませんでしたが、月面の模様を観察したり、クレーターを観察したり、アポロが降り立ったところ探してみたりと楽しみ方はいろいろあることを、阪本先生に教えていただきました。秋の夜長、たまには月を愛でてみてはいかがでしょうか。

レポート:新谷明日子
撮影:京田綾子
posted by Sカフェ事務局 at 17:00| スペースカフェ開催レポート