2013年12月16日

第1回「スペースカフェ☆お茶の水」開催報告

古くからの建造物や名所も多く歴史的な魅力を持つ御茶の水。文京区湯島から千代田区神田にいたる千代田区神田駿河台を中心とした一帯には、多くの大学や専門学校、予備校が集まる日本国内最大の学生街があり、神田神社、湯島聖堂、ニコライ堂等を始めとする宗教施設、国内最大の書店街・楽器店街・スポーツ用品店街、老舗名店街など名所を多く抱え、広範な文化ゾーンを形成しています。

この地に、2011年8月にJSFが移転。さらには、2013年4月にJAXAが東京事務所を構えたことをきっかけに、知的好奇心にあふれる街の特性を活かして、宇宙の研究開発の情報発信拠点としての新たな役割を果たしたいと考えています。

その取り組みの第一弾として、「スペースカフェ☆お茶の水」と銘打ったサイエンスカフェを定期的に開催することになりました。主催は、「スペースカフェ☆お茶の水」実行委員会です。実行委員長のJAXA宇宙科学研究所・広報普及主幹の阪本成一教授を筆頭に、東京大学やJAXA、日本宇宙フォーラムからの宇宙関係者の他、地元の商店街(お茶の水茗溪通り会)、お茶の水地域連携のスペシャリスト集団であるNPO(お茶の水公共空間マネジメント)代表といったメンバーが結集しました。お茶の水地域の魅力と宇宙を混ぜ合わせ、魅力的
なコンテンツを生み出す底力をもった素晴らしい委員構成となっています。JSFは、自主事業として事務局業務を担当しています。

記念すべき第1回は、話題を集めていたアイソン彗星をテーマとしました。
開催概要は以下の通りです。

第1回 スペースカフェ☆お茶の水
テーマ:「今を輝け!アイソン彗星−人類は君を忘れない」
日 時:11月27日(水)18時45分〜
場 所:ECOM駿河台(御茶ノ水駅から徒歩3分)
ホスト: 阪本成一氏(JAXA宇宙科学研究所 教授・広報普及主幹)
ゲスト: 臼井文彦氏(東京大学 研究員)
※すばる望遠鏡でアイソン彗星を観測した天文学者
大川拓也氏(日本天文協議会 アイソン彗星キャンペーン実行委員)
大西浩次氏(長野高専 教授)
電話出演:渡部潤一氏@飛騨天文台(国立天文台 副台長)
花山秀和氏@アリゾナ(国立天文台・石垣島天文台 研究員)
ライブ中継:ネコビデオ ビジュアル ソリューションズ(NVS)
(ニコニコ生放送、USTREAM)

豪華な講師陣、またアリゾナや飛騨天文台の観測隊が電話出演するなど、盛りだくさんの企画となりました。
サイエンスカフェという趣旨なので、こじんまりとした会場には32名の来場者がありました。ただし、少人数の来場者を補って余りある方々がネット越しに視聴されていました。その数は1122名(延べ人数)に上りました。中継映像は録画されていますので、いつでもスペースカフェ公式サイトでご視聴頂けます。

また開催をより多くの方々に知っていただくため、メディア関係者にも積極的に声掛けしたところ、月刊星ナビや天文ガイドの出版社からも参加者がありました。結果的に、これらの雑誌に開催レポートが掲載される予定になっています。なお、実行委員による開催レポートも公式サイトに掲載されていますので、ぜひご覧ください。

また、スペースカフェとの抱き合わせの目玉企画が星空観望会で、普段、お茶の水界隈にいる方々を巻き込むための場を作り出します。この観望会を実現には協賛の株式会社ビクセンの大きなサポートが必要不可欠でした。なんと望遠鏡2台(屈折式、反射式それぞれ1台)と双眼鏡2つ他を、無期限でご提供頂きました。この場をお借りして、御礼申し上げます。星空観望会は、スペースカフェ講師とのフラットな交流の場ともなり、参加者にも大変好評でした。もちろん通りすがりの方にも望遠鏡をのぞいて頂きました。

スペースカフェは隔月開催を目標にしています。このペースを実現するために事務局と一心同体になって頑張っているのが、共催団体でもある「お茶の水スキマ大学」の若者達です。地域の学生団体出身者である中心メンバーと、「スペースプロデューサー」としてスペースカフェをサポートする学生たちのモチベーションはかなり高く、今後の活躍に期待できます。こういった若い力の存在は、事業を継続させる原動力となるでしょう。これからのスペースカフェにぜひご期待ください。

日本宇宙フォーラム 高木俊暢
posted by Sカフェ事務局 at 12:00| JSFメールマガジン

2013年12月09日

第1回スペースカフェ☆お茶の水
今を輝け!アイソン彗星〜人類は君を忘れない

刻々と太陽に近づいている「アイソン彗星」。太陽を回ったあとはどんな姿で現れるのか…?!とにかく空に輝いてほしい…そんな想いで第1回スペースカフェ☆お茶の水「今を輝け!アイソン彗星〜人類は君を忘れない」を開催しました。

日時:2013年11月27日 18時45分〜20時30分
会場:ECOM駿河台(エコム スルガダイ)


オープニングトーク
★実行委員長 阪本成一氏(宇宙航空研究開発機構)

最初に主催者を代表して実行委員長の阪本氏より、「この度、立ち上げたスペースカフェは、一般的なサイエンスカフェのように一方的な配信でなく、多くの方々に参加いただき双方向なやり取りをして、自由な発想で面白いことを仕掛けていきたい。」と挨拶がありました。
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都会の空でも見える!?
★アイソン彗星の紹介―大川拓也氏(宇宙航空研究開発機構)

まず、大川氏よりアイソン彗星が見える時期や、観測の仕方についてお話しをしていただきました。
「都会で見えないのでは?と思っている方も多いかと思いますが、太陽を回る前の現在は明け方の東の空、地平線の近くに見えます。」数日前に大川氏が撮影した写真では、やや青緑色のアイソン彗星を確認。また、衛星から撮影したアイソン彗星と地球が一緒に写っている写真や、さまざまな彗星の美しい写真の紹介がありました。「太陽に最も近づく11月29日前後は見えませんが、12月上旬から、また明け方の東の空に見えるので、太陽光には気をつけて観測をしてください。」そして「双眼鏡で観測をするのがおすすめ。8倍くらいが観測しやすいです。」とのこと。
大川氏のアイソン彗星への熱い想いが伝わってきました。
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太平洋の真ん中、ハワイでは?
★すばる望遠鏡で撮影したアイソン彗星―臼井文彦氏(東京大学)

次に、ハワイ島マウナケア山頂、標高4,200mにある国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡で10月下旬にアイソン彗星を撮影してきた臼井氏にお話しいただきました。
赤外線で撮影されたアイソン彗星は、ぼんやりとはしているけれど、かすかに尾をひいているような?ちなみに、すばる望遠鏡は望遠鏡を覗くわけではなく、モニターで観測をするそうです。「余談ですが、すばる望遠鏡は観測提案書を出して審査に通らないと観測することはできません。ただし学者でなくても誰でも申請はできるので、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか?」とのお話しに、会場は興味津々でした。
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アイちゃん、がんばれ! アイソン彗星の運命やいかに…?
★アイソン彗星と社会―大西浩次氏(長野高専)

続いて、アイソン彗星がまだ遠くにいるころから、「アイちゃん、がんばれ」と応援をしてきた大西氏にお話しいただきました。
「彗星は氷と砂粒の塊です。ですから太陽を回ったあと氷が解けて消えてなくなるのか、バラバラになるのか、半分くらいになるのか、の予測はとても難しいです。」そして、「12月下旬には、明け方の東の空だけでなく、夕方の西の空でも観測できます。クリスマスあたりに観測をしてみてください。」12月27日には地球に一番近づくので、要チェックですね。
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アメリカのアリゾナ、そして日本の飛騨からも特別ゲストがリアルタイムで参加

東京から遠く離れて観測に行かれている方たちに、会場から電話でお話しをうかがいました。

まずは、早朝のアメリカ、アリゾナから。
★花山秀和氏(国立天文台)
彗星が太陽を回る時、日本では地平線の下なので観測ができないため、アリゾナで観測中です。「こちらは午前3時56分です。砂漠に近いので、満天の星空です。天候は問題なさそうなので、観測準備を進めています。」とのことでした。

★福島英雄氏(国立天文台)
同じくアリゾナにいらっしゃる福島氏に、「今後、彗星はどうなると思いますか?」と東京から質問する大西氏。「バラバラになるのではないでしょうか…」と冷静に答える福島氏。彗星の輝きを期待していた会場からは、どよめきの声が。

続いて、京都大学の飛騨天文台から。
★渡部潤一氏(国立天文台 副台長)

太陽を観測する太陽望遠鏡で観測しているので、昼間に観測します。今日は天気が悪く、また彗星が暗くて残念ながらデータはとれなかったそうです。


質疑応答

Q:どんな双眼鏡で観測するといいのでしょうか?
A:「手に持った時のフィット感が一番大切。軽いもので倍率は高くても10倍くらいまで。レンズの直径は4〜5cmが観察しやすい」とのこと。ただし、くれぐれも太陽光には十分注意して観測をしてくださいね。

Q:なにかのはずみでやってくる彗星。なにかのはずみって?
A:「太陽系の外にはたくさんの氷の塊がフワフワと存在しています。近くを通った星の影響などで太陽系の内側に向かう軌道に変化するのでは?と考えられています。地球が生まれたばかりの遠い昔、彗星が地球に衝突して水や有機物をもたらしたのかもしれません。」とお答えいただきました。


★東京の真ん中で見えた! 星空観望会

講師のお話しが終わり、会場の外で星空観望会を開催しました。
天体望遠鏡を2台設置して、ぎょしゃ座のカペラやオリオン座のリゲルなどを観測しました。ビルが立ち並ぶ都心の夜空に、肉眼でも星は見えますが、天体望遠鏡を覗くと地球に届く光の瞬きが、はっきり見えて感動しました。参加者は次つぎと望遠鏡を覗いて歓声を上げ、道行く人も「なにが見えるのですか?」と興味津々。次回が待ち遠しい観望会でした。
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最後に会場で今回のイベントの感想をうかがったところ、
「アイソン彗星のことがよくわかったので、子どもに教えたい」(30代男性)
「講師のお話しが硬くなく、楽しめました。天体望遠鏡を初めて覗いて、星の美しさに目覚めました。」(20代女性)
などのコメントをいただきました。

アイソン彗星への期待が高まる中、阪本氏のスムーズな進行で、「第1回スペースカフェ☆お茶の水」は、大盛況で終了しました。

今回が第1回目ということで、準備不足な面もありましたが、盛り上げてくださった講師と参加者のみなさま、そしてアイちゃん(アイソン彗星)本当にありがとうございました。
今後も楽しい企画を考えていきますので、是非またご参加ください。

レポート:新谷明日子
撮影:若松宏昌・京田綾子
posted by Sカフェ事務局 at 11:50| スペースカフェ開催レポート